Prince Monthly Column

2017/11/08

もう普通のラケバに飽きてるんじゃない? テニスとの『余裕ある付き合い方』の提案、 ’80年代デザインって、どこか「品」がある。

自分のスタイルを主張する「大人のテニスの楽しみ方」
〜若き頃に憧れた、あのアイテムを側に置く喜び〜

VT
みなさんにはそれぞれ、自分なりのテニスとの付き合い方があるはずです。ファッションスポーツとして始めたけれども、けっこうハマっちゃった人。熟年になってから、健康のために続けている方。学校のクラブ活動や近所のテニススクールから初めて、学生時代をテニスに賭けた諸君。その中から世界のトップを目指してはばたく若者たち。

テニスのいいところは、その気になれば、生涯を通じて「長く続けられるスポーツ」であることです。1980年代、テニスは世界的に大流行し、その頃にテニスと出会って、いまだに楽しんでいる方も多いでしょう。当時の若者の多くがテニスと触れ合っていたため、一気にカジュアルスポーツになりましたが、それでもどこかに「テニスって特別なスポーツ」という認識が残っていました。

その典型が「リゾートテニス」です。わざわざ遠くへ出掛けていってテニスをするわけですが、特別な環境でテニスを楽しむことに見出す価値と充足感は、たしかに存在しました。そして、いつもよりちょっとだけオシャレをして、多少の贅沢をしながらテニスと付き合うとき、持ち物のチョイスは大切な要素でした。

当時からブランドもので楽しむリッチ層はいましたが、やはりテニスブランドは大人気であり、それを持つことが、自分がテニスと関わっていることの主張でもあったわけです。その頃、テニスラケットブランドは約40近くもあり、テニスアイテム全般に展開するメジャー総合テニスブランドがありました。そのなかでいちばん輝いて見えたのが『プリンス』でしたね。これは、このコラムを書いているからでも、お世辞でもなんでもなく、誰もが認めるところだったんです。

『プリンス』には独特のイメージが漂っていました。『prince』ロゴの『i』の上の点が3つ。あたかもテニスボールが弾んでいるような軽快感が、どこか心弾むようで楽しかった。そして、そのロゴを纏ったバッグを持つことは、自分が「テニスを楽しんでいる」という満足感につながる、憧れへの入り口だったのです。

求めるのは個性とスタイル! 大容量とか便利さは重視しない「余裕」
〜遊びの心で所有するのがサブバッグの心得〜

VT
昨今、ラケットバッグをかついで歩く若者を見かける機会が増えています。でもどうしても、みんな同じようにしか見えないのです。洗練された結果としての形が「あれ」なのかもしれませんが、どうにも個性のなさのせいで、色褪せて見えてしまうわけです。
すべてを一つにまとめて持つことができるラケットバッグは、大容量移動のメリットがありますが、持ち物に対する認識が粗雑になりがちですよね。いつも同じようなものを、ときには入れっぱなしということもあります。

リッチな方々は、どこへ出掛けるか? 何を着ているか? などで、持つべきバッグを選び、荷物が多いときには、ひとつにまとめずに、目的に応じて複数のバッグを用意します。

ドカッと大きい荷物を背負ったりしない……。
必要なものだけを携行することに、むしろ「余裕」を感じさせるのです。一つのバッグに収まらない場合は、サブバッグとして別のバッグでカバーする。それが同じブランドであったりすれば、きっと「あっ、あの人ってオシャレかも」と見られますね。

また、オシャレに重要なのは「遊びの心」です。
たとえば、大きめのラケットバッグ一つですむところを、わざとラケットと他のものを分けて運ぶ。それだけラケットを大切に思っている印でもあり、自分なりのスタイルを主張するものでもあります。

たとえばプリンスのビンテージシリーズの【ラケットバッグ】を選ぶ。これは35年ほど前に誕生したクラシカルモデルで、当時は【ラケットケース】と呼ばれていました。きわめてシンプルな「ラケット専用キャリーケース」で、肩掛けストラップも付いていなかったように思います。

もちろんこれだけでは、テニスをするのに必要な荷物を運ぶことはできません。そこでシューズや小物を持ち歩くために必要なバッグとして【トートバッグ】を肩に掛けます。よく見かける、デカい「テニス用トート」とはまったく違って、もしもシューズを入れたなら、他には小さなポーチと財布くらいしか入らないでしょうが、この「ちょっと小さい感じ」がいいのです。ウェアとタオルなどは、この際ですから【ラケットバッグ】に収めちゃいましょう。

プリンスにもオールインワンのラケットバッグはラインナップされていますが、ビンテージシリーズのバッグ2つに分けて持つほうが、明らかにオシャレに感じられます。そのスタイルで丸の内のオフィス街や、青山、麻布を歩いたって、まったく違和感なく、かえってスポーティーさが映えるように思いますよ。

クラシカルな見栄えに忍び込ませた現代的スタイル
〜ラケットを1本しか持ち歩かない「気取り」〜

VT
プリンス ビンテージシリーズの【トートバッグ】の使い方は、荷物をパンパンに入れないのが肝心です。でもどうしても収まらないというときは、同シリーズに面白いバッグがあります。

【2WAYボストンバッグ】というのですが、一般的なボストンバッグの形とはかなり違っていて、「角型×薄型」なのが特徴です。こちらはバッグ上部まで荷物を収納できるので、けっこうな容量を確保できます。荷物がスカスカの状態よりも、むしろたくさん入っている感じのほうが絵になります。そうですね、そこそこのバックパックと同じくらいの荷物は入るでしょう。

でも、バッグ外側に付けられた「ラケット収納部」のおかげで、一瞥でテニス用とわかります。問題は「ここにラケットを入れるかどうか?」ですが、昔はここにラケットをヘッドを収め、グリップ側を露出して持ち歩くのがオシャレだったのです。
みんな「本気で」やっていました。でも今は、あえてラケットは差さずに持つのがオシャレかな。逆に、1本だけ持ち歩くことをわざと見せることに、自分とテニスとの付き合い方を気取って見せるという考え方もあります。こうなるとオシャレというより『洒落』の世界ですね。

しかしプリンスっていうのは、真面目なんですよね。もしもラケットをここに入れて運ぶときのことを考えて、ラケット収納部のフラップにはクッション材を内蔵し、内側にはラケットを傷付けないように柔らかいフリースが張られています。
荷物が重くなると床に置きたくなりますから、バッグ底面には4本のスタッドを打って、床が濡れていても平気なようになっているところが気遣いです。

バッグのボディ側には肩掛けストラップがこっそり収納されていて、両手をフリーにできる仕掛けがあり、ビンテージスタイルなのに、現代的な使いやすさを持たせているのも特徴です。もちろん外側にラケットを差した状態でも、背負ってみればちゃんとグリップが頭の後ろにくるように作られているんです。

3アイテムとも、プリンスらしさを主張する「グリーン」と、どこにでも持ち歩けるシックな「ネイビー」の2色展開。筆者のオススメは、このシリーズから【ラケットバッグ】+【トート】か、【ラケットバッグ】+【2WAYボストン】の組み合わせで持つことですよ!

text by 松尾高司(KAI project)

1960年生まれ。『テニスジャーナル』で26年間、主にテニス道具の記事を担当。
試打したラケット2000本以上、試し履きしたシューズ数百足。おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー

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