Prince Monthly Column

2018/02/15

明るい日差しと、大人の雰囲気が、 こんなにも噛み合うなんて……
プリンス2018コレクションは、 コートでもタウンでも引き立つ。 だから、春が来る前に買っちゃわないと!

3つあるプリンスのロゴ。それぞれが持つ世界観
〜ブランド名の由来を知っていますか〜

今から42年前の1976年……
この年のおもなニュースを挙げてみましょう。
◎ハガキの郵便料金が¥10→¥20、封書が¥20→¥50に値上げされる
◎『徹子の部屋』が放送開始
◎ロッキード事件で田中角栄首相逮捕
◎ホンダ【ロードパル】発売でソフィア・ローレンがTV-CMで「ラッタッタ」を流行らせる
◎アップルコンピュータ設立
◎日清が【焼きそば UFO】と【どん兵衛きつねうどん】を発売
◎アントニオ猪木vsモハメド・アリ異種格闘技戦
◎モントリオールオリンピック開催
◎ピンクレディがデビュー
◎『こちら葛飾区亀有公園派出所』(こち亀)連載開始
◎東急ハンズ1号店が藤沢にオープン
◎富士スピードウェイで初の日本F1グランプリ開催
そしてアメリカでは
◎ジミー・カーター氏が大統領に就任
◎ニュージャージー州プリンストンに『プリンス社』創立

生まれる前のことで「ふぅ〜ん」と思う方もいれば、「そうそう、そんなことがあったよなぁ」と懐かしがられる方もいるでしょう。これらの中で、現在も続いているものって、
『徹子の部屋』『東急ハンズ』『焼きそばUFO』『どん兵衛』『アップルコンピュータ』、そして『プリンス』。

創立者のハワード・ヘッド氏は、自分のテニス上達のために生み出した発明品「デカラケ」を世に送り出すために、プリンス社を設立しました。それまでテニスを楽しむためには熟練が必要でしたが、デカラケは多くの人がテニスをすぐに楽しめるようにし、1980年代の世界的大テニスブームを巻き起こす火付け役となったのです。テニスラケットの革命的進化を促したのが『プリンス』なのです。

そこで『プリンス』のイメージが築かれたのです。
「先進性」「自由さ」「上質さ」……
こうしたイメージを好んだのが、時代に敏感でオシャレなプレーヤーたち。出現当初「オバケラケット」と言われたデカラケは、90000円という超高級モデル【グラファイト】によって強さの象徴とされ、純白のボディに爽やかなピンストライプが鮮やかな【スペクトラム】が、高級リゾート「軽井沢」を埋め尽くしたこともありました。
こうしてプリンスのロゴマークに「明るく、爽やか」な印象が乗り移ったのです。

しかし大ブームが収まると、テニスはどんどん競技としての側面が強くなり、テニス道具やテニスウェアは、独創性や自由さに欠け……というか、「遊び」の楽しさを表に出さないのがいいとされるようになってしまいました。明るさや自由さではなく、ファッションアイテムだったテニスウェアは、完全に競技用ウェアとしてしか開発されなくなっていったのです。

今日、プリンスには3つのロゴがあります。一つは、数年前まで「世界統一ロゴ」とされていたプリンスグリーンの『グローバルロゴ』。長きに渡って、プリンスのイメージを定着させていたロゴです。

もう一つは、テニスという枠から飛び抜けて、特別に上質な世界を構築する『オーセンティック』シリーズを象徴する『オーセンティックロゴ』。そして3つめが、我らが日本で復活した、プリンスの誕生から黄金期を飾ったロゴ……『ヴィンテージロゴ』です。きっと「懐かしい」と感じる方も多いでしょう。

これを蘇らせたのが「オンコートからオフコートまでを楽しめるアイテム」という考え方の復活です。テニスが若さに漲っていた頃の自由さで、新しい世界を作っていこうという意思が、このロゴを付けたテニスウェアに活かされています。
2018年のプリンス春夏コレクション……、注目です。

商品名は「ゲームシャツ」、でも原宿の街にも馴染んでしまう
〜タウンユースできちゃうテニスウェアの話〜

wear_image
写真を見てください。これは2018年プリンス春夏コレクション・カタログに掲載されているうちの2カットです。これってどう見ても、書店に並ぶファッション誌の1ページですよね。このままの姿で、東京の街中を歩いていても、なんら違和感は感じません。むしろ、周囲のわざとらしく飾った洋服なんかより、とても健康そうで、爽やかで、生き生きしてると思いませんか?

でもね、これらの商品名は『ゲームシャツ』なんです。つまり「オンコートで着用するためのウェア」ということです。ただ筆者には「オンコートでも着用できるカジュアルウェア」と見えます。

前述のとおり、テニスブランドが作る昨今のテニスウェアは、機能素材の進化とともに「オンコートで着るもの」と決め付けられ、すべてがその傾向を辿ってしまって、「テニスコートでテニスウェアを着るのは、なんだか本気そう過ぎて気恥ずかしい」という印象を生み出してしまいました。

たしかに吸汗速乾機能を備えたテニスウェアを着てしまうと、昔の綿100%シャツは汗を吸いすぎて「無理ィ!」と感じます。でもだからといって、デザインまで本気指向ばかりにしてしまうことはないでしょう。タウンで着られるデザインなのに、テニスウェアとして十分な機能が搭載されている……これがプリンスの考えるヴィンテージロゴの世界です。

夏のウェアは、暖かくなってから探すのでは遅い!
〜人気のウェアは意外と早く売れてしまうことを知ろう〜

wear_image
みなさんは、まだ寒い季節にテニスショップヘ行ってみたら春夏ものが並んでいて、「あっ、これいいなぁ。今度来たときに買おうっと」と思いつつ、次に行ったときにはもうなかった……という経験はありませんか?

そうなんです! いいものは、すぐに売れちゃうんです。とくに最近のテニスショップの多くは、テニスウェアを販売しながらも「在庫は最小限に抑えよう」と、一見、豊富な品揃えそうに見えても、サイズ在庫を絞り、さらに各サイズ1点ずつしか置かない傾向があるんです。だから、狙いのアイテムはあっても、自分のサイズが売れてしまってたということが少なくありません。

ですから、「いいな!」と思ったときに買ってしまいましょう! 「今」でしょ。すでにショップには新作モデルが並んでいますよ。おウチに帰って考えてる場合じゃないんです。
すぐになくなっちゃいますよ!
プリンスのコレクションは、万が一、オンコートで着る機会がなくても、カジュアルで着られますから、躊躇しなくていいんです。さぁ、ここからカタログへ飛んでください!

text by 松尾高司(KAI project)

1960年生まれ。『テニスジャーナル』で26年間、主にテニス道具の記事を担当。
試打したラケット2000本以上、試し履きしたシューズ数百足。おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー