プリンステニスバッグの新しい形、【TECH】シリーズは、オトナの設え。ラケットも用具もオールインワン!

プリンステニスバッグの新しい形、【TECH】シリーズは、オトナの設え。ラケットも用具もオールインワン!

オトナの本気プレイヤーは、ラケットバッグじゃ……ちょい照れる
〜 大会遠征に持っていきたい「全部入り」 〜

今回は、プリンス・テニスバッグシリーズの中で、落ち着いた大人の雰囲気で持ち運べるコンセプトで新登場の【TECH Series】を紹介します。運用スタイル的に4モデルが並びますが、すべてに共通するのが素材と色です。

素材には「1680デニール」という、太くて丈夫なナイロン糸を使用し、耐久性が高く、タフに長持ちしてくれる丈夫さと、軽量さのバランスが保てる素材選択です。スポーティーに寄りすぎず、落ち着いた感じの「グレー」を採用。ちょっと面白いのが、屋外では明るいシルバーグレーに輝きますが、室内に入ると、微かに緑がかった色調に見えます。

最初に紹介するのが、【TECH Series】の中で、唯一「オンコート向けコンセプト」である【TC320 トーナメントボストンバッグ】です。これをひとことで言うと『社会人プレイヤーが大会出場時に持ち運ぶオールインワンバッグ』です。

若者向けには【TOUR Series】【TOUR EVO Series】があり、元気でスポーティーな感じですが、こちらは「社会人向け」の大人っぽさを演出するシリーズ。
バッグの外側各部にスリットポケットがあり、大型なのにあらゆるところからアクセスできる利便性に長けています。

上部フルオープン式で、中はできるだけ大きなスペースを確保。
左右両脇に「ラケット収納ポケット」が用意され、それぞれ3本、計6本のラケットがスッキリ収まります。まぁラケット6本を持ち歩くことは、そう多くはないでしょうが、「かもしれない装備」ですね。

ラケット収納部の内側は、ゴージャスな「サーモリフレックス」張りで、大切なラケットをしっかり保護します。また、フルにラケットを入れない場合は、ペッタンコになってくれるので、フラップで固定することで、メインスペースがより拡張され、収納量が増すという構造です。

さらに細かな気遣いが、メインパートをセンター部で二分割するための仕切り板。出荷時はバッグ内側に固定されているので、それを引き出してマジックテープで反対側に固定すれば、内部を2つに仕切ることもできます。

整理整頓好きな方は、ぜひ活用してもらいたいですね。ちなみに仕切り板ですが、多くのバッグではクッション材が封入されたソフト仕切りが多いのですが、これは硬くて薄く、少しでも荷物の収納量を増やしたいという開発者の「思いやり」……いや「徹底さ」を窺い知ることができます。

【TC320 トーナメントボストンバッグ】のアイテムコンセプトは、これを担いで「遠征試合」へ向かうという設定の仕立てです。その目的にとっても役立ってくれるのが、「2足収納可能シューズケース」。昨今のテニスシューズは「オールコート用」と謳っても、ほとんどが「ハードコート・メイン」の設計であり、それを砂入り人工芝コートで履いて、勝利するのは厳しいですよね。

遠征前から試合コートのサーフェスが「絶対に」「間違いなく」どちらかだとわかっていればいいんですが、急に変更される場合もあります。たとえば屋外砂入り人工芝の予定だったのが、雨のせいで屋内ハードコートに移されるという場合も実際にありますし、逆もまた然り。となると、念には念を入れて、両方のシューズを持ち込むのが「勝利への万全準備」です。

これまでは、不測の事態に備えるためには、トーナメントバッグのシューズ収納部に1足。そしてそれとは別に、もう1つシューズケースを用意してバッグへ投入。となれば、他の荷物を圧迫してしまいます。でもこのバッグは「余裕で2足」を収納できるようになっています。もちろん1足はテニスシューズで、もう1足、パーティー出席用の革靴を入れてもいいですね。

肩掛けストラップも、とてもよくできていて、横型バッグとして通常使用することもできるし、そのまま縦にして背負えるようにも設計されています。しかも、背負った感じがものすごく良くて、バッグが後ろへだらしなくズリ下がることがありません。

「オトナがすっきりスマートに遠征するためのオールインワン」という大きなコンセプトが貫かれ、細かい部分まで考慮された「社会人テニス実戦型バッグ」として、思い切って買っちゃいましょう!

中厚の【BEAST】が3本収納できるデイパックに、オトナの本気モード
〜 使いやすさと快適さを、ハードデューティ仕様で 〜

次はオトナ向けの【TC323 バックパック】。各メーカーから各種のデイパックが発売されていますが、「テニス対応」という程度で、普通のデイパックに寄せた設計がほとんどです。でもこの【TC323】は「明確にテニス用」を打ち出しているのが特徴です。

それを象徴するのが「ラケット収納部に3本のラケットを格納できる」コンセプト。オトナのマジプレイヤーは、試合に向けての準備を怠りません。試合中にストリングが切れたり、飛びの感じがしっくりこなかったりしたとき、調子を崩さずにプレイを続けられるような準備ができています。

もしも筆者がマジプレイヤーとして試合に臨むとしたら、同じラケットに同じストリングを「2本はまったく同じ張り上がり」にし、もう1本はほんの少しだけテンションを落した張りで準備します。だからやっぱり「3本が必要」なんですよ。

このラケットホルダー部には、中厚の【BEAST】でも余裕で収まるように作られています。もちろん2本でも遊びなく固定できるように、調整式のストラップが装備されているので心配はいりません。

メインルームは十分な容積が確保されつつ、「出し入れしやすいように、できるだけ開口部を大きく設計」されています。内部の造りも個性的。パソコンやタブレットが入るポケットは当然用意されていますが、その上に被るように「フラップ式ポケット」が付いているんです。これはですね、「限られた面に、できるだけ多くの収納ポケットを!」という設計者の工夫なんでしょうね。

ポケットフラップのいちばん上にはファスナー式フルサイズポケットがあり、さらにその外側にスマホサイズのスリットポケットが左右に2つ、その間にペン用ポケットが一つ。小物類は、ほぼここに収まるでしょう。

ラケットを押さえる形の外側フラップには、左右両端からアクセスできるスリットポケットが設置されていますが、中で繋がっているわけではなく、左右別々のポケットです。しかも片方がフルサイズで、もう片方が縦ハーフサイズになっており、入れるものの大小で使い分けできるのも魅力。
「ポケットはなんでもデカけりゃいい」ってわけじゃないんです。

さらに、背負い心地にも配慮されています。ショルダーストラップが「左右単独式」ではなく、「左右一体式」が採用され、背中とのフィット感が向上しました。本体との縫い付け部が「ー」「ー」の状態から「ーーーー」となったことで、縫い付け部の荷重負担が減って、破損の危険度も減少しますし、肩への荷重感も軽減されるという検証結果も出ています。とても大きな改善点だと感じます。

でたぞっ! オトナのための「ドデカトート」と「中型トート」
〜 なんでも入るのが いいんだよなぁ 〜

それからもう1タイプ2モデル、「トートバッグ型」の【TC326 トートバッグL】(容積40L)、【TC327 トートバッグM】(容積30L)もラインナップされます。大型トートの【TC326】は、とにかく大容量。メインルームには、なんでもどんどん放り込めますし、バッグ底部にはシューズ収納ルームも設けられ、テニス用バッグとして十分に成立しています。

また、手持ち/肩掛けストラップの長さは「62cm」という「肩に掛けてちょうどいい長さ」に設定され、携行にまったくストレスを感じません。おまけに「着脱式ロングストラップ」も付属するので、自転車やバイクに乗った状態で使用するときには「斜め掛け」できるんですね。

そしてちょっとだけ小振りの【TC327】は、みなさんが使い慣れているトートバッグのサイズよりも、ちょっとだけ大きいサイズ感。ボリューム感は、かなりあるほうです。大きいほうの【TC326】と、どのくらい違うかというと、【TC326】にラケットを入れると「グリップの半分くらいが出るくらい」で、【TC327】だと「グリップまるごと出るくらい」って感じですね。

これら【TECH Series】のすべてに「リフレクトprinceロゴパネル」が取り付けられ、夜間でも認知されやすい配慮もされています。オトナの雰囲気で、安全に、たくさんの荷物を運べる【TECH Series】は、新しいプリンスのイメージを表現してくれるバッグですね。

松尾高司(KAI project)

text by 松尾高司(KAI project)

1960年生まれ。『テニスジャーナル』で26年間、主にテニス道具の記事を担当。 試打したラケット2000本以上、試し履きしたシューズ数百足。おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー