「頭を冷やせっ!」 怒ってるわけじゃないですよ(笑) 夏テニスに備える「冷え冷え帽子」がこれだ!

真夏のテニス、「帽子をかぶりましょう」は単なる標語ではない
〜 絶対にマスクしたままプレーしちゃダメ! 〜

さて、梅雨も明けてようやくテニスできるようになってきましたね。一気に真夏の日差しに包まれるようになり今年も猛暑の予感がします。夏が大好きなプレーヤーにはたまらん季節の到来ですが、真夏のテニスコートにはたくさんの落とし穴がボコボコと!

まずは紫外線です。たとえ日焼け大好きな人にとっても、ある種の紫外線はきわめて有害。とくに「目」は被害を被りやすいですから、できるだけカットしなければなりません。それには「スポーツグラス」が最適です。目からもっとも近い位置で紫外線を防御。目に飛び込む紫外線の量をグッと減らしてくれます。

とくにプリンスのスポーツグラスは、安くて、軽量で、見やすいと大評判。とくに【メラニン偏光レンズサングラス】と【調整機能付き調光偏光サングラス】は、99.9%のUVカットレンズを使用するため、目に対して直線的に入ってくる紫外線は完璧に除去し、顔の曲面にフィットして、目の脇から入る紫外線もできるだけ防いでくれます。夏はまず、プリンスのアイウェアで、目を守る対策を講じましょう。

次の対策が「頭」です。紫外線をたくさん含んだ直射日光が直撃しますから、頭部は守らなければなりません。敵は紫外線だけでなく赤外線も……ようするに「熱」ですね。近年は地球温暖化により「熱中症」による被害が増加すると報じられています。熱中症を軽く見てはいけませんよ。

熱中症レベルであれば、脱水・めまい・吐き気・頭痛のどの症状ですが、それを越えて重症化すると「熱射病」となり、40度以上の発熱、脈拍異常、意識の高度障害があり、入院必至で全身冷却しなければなりません。最悪は死に至ります。

そんなことにならないよう、油断なき熱中症予防対策を講じましょう。まずは水分補給やミネラル補給は、身体の内側からの予防策。正常な発汗作用が機能すべくコントロールすることは、とても重要です。コートサイドに補給用の水やスポーツドリンクを備えておくことを怠ってはいけません。常温の水を、少しずつ摂取するようにしてください。

さらに「外側から」人体を守るのが『帽子』です。じつはみなさんが考えるよりもずっと、この「帽子」は大切なのです。真夏には帽子をかぶっているだけで、頭部の温度が5〜10度も低く保つことができるというデータがあります。
脳は、人間の臓器の中で3番めに熱を多く生む場所であり、ちょっとした脳温上昇が命の危険につながることがありますし、「脳内視床下部にある体温中枢の障害」が熱中症・熱射病の引き金ともなります。ですから、頭の温度はできるだけ高くしないようにすべきであり、そのためには帽子が役立つというわけです。

それから大切な注意があります。コロナ対策として日常的に欠かせない「マスク」ですが、オンコートでは、絶対にマスクを着けたままプレーしないでください。マスクを着けることで、呼吸がしにくくなりますし、鼻から入る空気の温度が高くなります。

人間は、鼻呼吸によって鼻腔内に空気を通過させることで、脳温が高くなりすぎないように制御します。呼吸による空気の流れが鼻腔の奥にある毛細血管を冷却し、その真上にある自律神経中枢を通じて脳の温度を下げることができるのです。ですから、鼻から入る空気の温度が高くなると、脳を冷やすことができなくなってしまい、命の危険があります。忘れないでくださいね。
『No MASK on Tennis Court !』

一見、なんの変哲もないけど、じつはこいつ「冷え冷え帽子」
〜 プリンス キャップの秘密 〜

PH518 クールキャップ

おっと、話を帽子に戻しましょう。基本的に、真夏の炎天下でプレーするときは、ラケットよりもシューズよりも「帽子がいちばん大切」と思ってください。ラケットがなくても死にはしませんが、帽子がないために熱中症→熱射病になり、死んでしまう危険がゼロではありません。

帽子をかぶるのが嫌いな人も、髪の毛が多い人も少ない人も、真夏の炎天下テニスでは、帽子をかぶってください。ダイレクトに直射日光を頭で受け止めることに、なんのメリットもありません。

まずは「日差しを避ける防眩機能」、つまり日光を直接に目に入らないようにすることです。そのために、帽子はできるだけ「ツバ付き」を選び、ツバを前にしてかぶりましょう。そのためにツバがあるのです。

「僕はツバを後ろに回してかぶるのがスタイルだから!」という方も、真夏だけはツバを前にしてください。顔に日光を受けずにすめば、それだけ涼しさを感じます。先に「帽子をかぶるだけで5〜10度も下がる」と話しましたが、じつはさらに『−5℃』を実現してくれる帽子が、プリンスの【クールキャップ】……そのまんまのネーミングですね。

その名前以上に、デザインがもっと普通!
いや、「シンプル」ですね(笑)
でもクーリング効果がスゴいんです。帽子部の素材が「遮熱メッシュ」で、太陽光を通さないスタイルのメッシュ素材です。スカスカ穴が開いているメッシュだけのほうが涼しそうに感じますが、それでは太陽光を通すので、熱を遮ることができません。ひとくちにメッシュといっても、テニス用【クールキャップ】は、機能最優先のテニスギアです。

昨年、プリンスが発売してから、クーリング機能がスゴいと話題になり、多くのプレーヤーが購入して使っていました。帽子にもブランドのこだわりがある方でも、違和感を感じさせないためのシンプルデザインでもあります。ブランドの垣根を越えて、いいものを使ってもらいたいというプリンスの考え方でしょうか? 知らんけど……(笑)

でも「冷え冷え帽子」というからには、そりゃもうはっきりした効果を生み出す仕掛けがあるんです。キーワードは……『気加熱』。

水に浸して、シャッと水切り。気化熱がクールをくれる!
〜 肌に汗をかくのと同じシステムを利用 〜

ご利用案内

そしてこの帽子の隠された最大個性が「+水だけによる冷却」です。それは帽子内側の帯部分に使われている『ベルオアシス』で、帝人が開発した脅威の吸水性能を備えた素材によるもので、繊維内に「自重の80倍」もの水を蓄えることができ、それを長時間、保水することができます。

使い方は簡単! 額から後ろグルッとカバーしてくれる『ベルオアシス』に流水をかけ、十分に水を含ませます。そして「シャッシャッ」と振って、余分な水を振り払う……これだけです。

キャップをかぶるときは、できるだけ『ベルオアシス』がオデコに直接当たるようにしてください。なぜなら、ここに蓄えられた水分が気化するとき、オデコからも熱を奪って、快適な涼しさを与えてくれるからです。

この効果は、『ベルオアシス』に水が蓄えられている間は継続します。しだいに水分がなくなってきますが、それは「効いている」ことの証です。水分がなくなってきたなと感じたら、もう一度、ここに水を含ませて、「シャッシャッ」と振ってかぶります。コートサイドならば水分補給用の水を含ませればいいですが、スポーツドリンクはダメですよ。純水かミネラルウォーターを、かならず用意してくださいね。

「私はどうしてもキャップはイヤよ!」という方のためにプリンスは、遮熱メッシュのない【クールサンバイザー】も用意しました。帽子部メッシュがないのにお値段が同じ?……と思われる方もいらっしゃいましょうが、遮熱メッシュ効果がない分を、【クールサンバイザー】の『ベルオアシス』がかなり幅広になっていることで、冷却できる部分を広くしているんです。こんなことカタログの商品説明のどこにも書いてないですけど、プリンスさんは、やることが細かいですね!

松尾高司(KAI project)

text by 松尾高司(KAI project)

1960年生まれ。『テニスジャーナル』で26年間、主にテニス道具の記事を担当。 試打したラケット2000本以上、試し履きしたシューズ数百足。おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー