Prince Monthly Column

2018/05/11

偏光レンズって何のことか知ってますか?眩しさは空からだけじゃない……コートからの照り返しを防げば、あなたはもっと強くなる!

いきなり「眩しい季節」がやってきた!
〜屋外でのテニスは眩しさとの闘いだ〜

ひとむかし前に比べれば、テニスコートでサングラスを着用するプレーヤーへの風当たりは和らいでいます。いろんな競技で、サングラスをかけたプレーヤーが活躍するシーンを見る機会が増えたからでしょう。

スポーツ時にかけるサングラスは、普段用のサングラスとは違って、いろんな機能を備えています。競技によって最重要機能は違いますが、おもに
「眩しさを低減させる」
「紫外線から目を守る」
「風を防ぎ目の乾きを抑える」
「飛来する障害物から目を守る」
さらにアクティブな機能として
「コントラストを上げ、対象物を明確に捉える」
「反射する光を制御して、対象物を明確に捉える」

屋外競技では、まず「紫外線カット機能」を搭載したサングラスで、目を守ることが必要です。紫外線は、目や肌に確実にダメージを与えます。しかし、目は迫る危険に対し、痛みで訴えられません。あなたが目の異常に気づいたときにはもう遅いのです。

そしてサングラスの必要性を強く感じさせてくれる機能が「眩しさを防ぐ」でしょう。とくに春はいっきに屋外が明るくなり、急に外に出ると、つい目を細めてしまいます。眩しさって、単に光量が多いせいだけではない気がします。「眩しさの素」みたいなのがあって、それが目に突き刺さるような感じがイヤなんです。

それについてプリンスサングラスの資料を見ていたら、やはり「太陽光でいちばん眩しさを感じさせる光」はあるようです。【プレミアハイコントラストミラー偏光レンズ】という長〜い名前を付けられたレンズは、おおまかに5層構造となっていて、それをカットしてくれるのが4層めの「コントラストフィルター」なのだそうです。眩しくないから、光の量を少なくしようと目を細める必要がなく、目をしっかり開いたまま見られるから、対象物(飛んでくるボールや相手の動き)を捉える能力が増すんですね。

プレミアハイコントラストミラー偏光レンズ

また一般的に「コントラスト系レンズ」というのは、雪面やゴルフコースのアンジュレーションを明確化したり、対象物の輪郭をはっきりさせるために必要なスペクトルをコントロールしてくれるもので、「裸眼よりもクリアな視界」を作ってくれる、ハイパフォーマンスレンズなのです。

だからスポーツ用サングラスは高価なんです。プレーヤーにとっては、それだけの価値があるんですよね。

偏光レンズとは、光をコントロールするマジック
〜真夏のハードや砂入り人工芝は照り返しがスゴい〜

プリンスのサングラスは、11モデルすべてに「偏光レンズ」が使われています(ジュニア用にも!)。筆者がその存在を知ったのは40年前のことで、カメラレンズに装着するフィルターの中に「偏光フィルター」というのを見つけたときです。それはフィルターが360°回転するようになっていて、レンズを光が反射するガラス面や水面に向けながら、偏光フィルターをクルクル回すと、その角度によって、反射する光が増減するんです。

つまり、肉眼では光の反射のせいで見えない「ガラスの向こう」が、反射が完全に消えることで丸見えになっちゃうわけです。水面のギラギラ反射もスキッとなくなり、魚が泳ぐ姿が見えたりします。高校生だった筆者には、それがマジックのように思え、フィルターとしては通常の4倍もする偏光フィルターを買ってしまったのです。

それがまさか、サングラスに使用されるとは思ってもなかったのですが、その効果を熟知している筆者にとって、テニスコートで威力を発揮することはすぐに理解できました。とくに砂が浮いてしまっている砂入り人工芝コートでは効果てきめん! 浮いた砂が白く光ってしまい、ただでさえ砂が邪魔して見えにくくなっているラインが、偏光レンズを通せば「あーら不思議っ!」、くっきりスッキリ見えちゃいます。

また真夏の光が強烈なハードコートではいわゆる「照り返し」がスゴいですけど、それも偏光レンズのおかげで、まるでヘッチャラです。その効果を知りたければ、サングラスをかける前に、レンズを90°縦にしてコートを見てください。そのときには肉眼で見るのと同じはずですが、普通にサングラスをかけると、サーフェスの反射がまったくなくなっていることがわかるはずです。

つまり、プリンスの偏光レンズ搭載サングラスは、地面からの光の反射をカットする角度に偏光レンズがセットされているんです。余談ですが、車の運転のときにも役立ちますよ。日差しが強いと、フロントガラスの内側にダッシュボードから反射した光が映ってしまってものすごく眩しいですが、これをかければ「そんなのあったっけ?」っていう感じです。

眩しさ防止ではなく目を保護するためにかけるプレーヤーには……偏光サングラス
〜必要に応じて光をカットする調光レンズ〜

 

最初に触れたように、スポーツ用サングラスには、眩しさを防ぐだけでなく、風や障害物をから目を守るシールドとしての機能もあります。それを目的として使用するプレーヤーにとっては、そんなに眩しくない状況でもサングラスは必要です。ですが、プリンスの【プレミアハイコントラストミラー偏光サングラス】は、可視光線透過率が18%に固定されていて、急に曇ったりするとボールが見えにくくなってしまうことがあるかもしれません。

そこでプリンスが用意しているのが【調光偏光サングラス】です。もちろん偏光レンズでありながら、周囲が明るくなると、レンズの色が濃くなって眩しさをブロックし、暗めになるとレンズの色が薄くなって、目に光を多く取り込ませるようにしてくれる……自動コントロールシステムです。また調光偏光レンズの可視光線透過率は、レンズの色によってわずかな差があり、グレーレンズでは「約30%〜12%」、ブラウンレンズでは「約27%〜11%」となっています。

調光機能自体はまったく新しいものではありませんが、調光機能と偏光機能をダブルで搭載しているレンズはめったになく、その意味でプリンスの【調光偏光サングラス】には大きな価値があります。さらにプレーヤーの鼻の形や高さに応じてノーズパッドを自在に調整することができ、テンプル(耳にかけるツル)も自在調整が可能で、顔のカーブに合わせてフィットさせることができます。

あなたはスポーツグラスに、いくら払えますか?
〜勝負のかかったポイントを落として後悔するより〜

このように、一般的なサングラスとは違って、スポーツシーンに合わせて多くの機能を備えたスポーツ用サングラスを、今日では『スポーツグラス』として評価し、備えられた機能に対して、それなりの対価を払うのは当たり前という時代になっています。

たしかにスポーツ用サングラスと称して、3000〜4000円で売られているものもありますが、スポーツグラスは大切な目を守るものだと理解してください。きちんとしたレンズ精度を持っていないと、しばらくして頭痛がしたり、異様に目が疲れたりします。でも信頼おけるメガネメーカーが作るものは安心であり、高精度のものはどうしてもそれなりの価格になってしまうものです。

とはいうものの、先に説明した【プレミアハイコントラストミラー偏光サングラス】は、機能満載ハイエンドモデルでありながら「¥16,000」。これはテニスに使えるスポーツアイウェア全般の中でも、かなりお求めやすい価格です。

テニスでは、ほんのわずかな判断の差が、ショットの正否を決定してしまいます。完璧な反応をすればカウンターショットになるはずだったものが、1/100秒の反応遅れで、ボールにさえ届かないこともある競技なのです。視覚は、テニスにとっての初期情報です。ハイパフォーマンスのスポーツグラスをかけることで、視覚情報の入り口が広げられ、いままでよりも速い反応ができるようになれば、ラケット選びに苦心するよりも、確実に強くなるはずです。

どうします? ¥16,000で、強くなっちゃいますか?

偏光サングラスの比較
<●レンズを通して見えるコントラストイメージ>
偏光レンズとは、微細なスリット偏光膜をサンドイッチしたもの。プリンス【偏光サングラス】のスリットはブラインドのような横スリットで、通常の縦波長の光は通すが、横波長である下からの反射光は通さないようにセットされている。これによってクリアな視界を確保できる

text by 松尾高司(KAI project)

1960年生まれ。『テニスジャーナル』で26年間、主にテニス道具の記事を担当。
試打したラケット2000本以上、試し履きしたシューズ数百足。おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー

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