メガネプレーヤーの必需アイテム。眩しいコートの照り返しをカット、帽子に装着する競技用スクリーン!

メガネプレーヤーの悩みは、他人にはわからない!
〜度付きスペシャルはそれなりに高価〜

突然ですが、あなたはメガネかコンタクトレンズを使用してらっしゃいますか?
つまり「裸眼生活」か「視力矯正生活」か? ということです。
ある調査によると、日本人の「約60〜70%がメガネかコンタクトレンズを使っている」という報告があります。
そのうち、コンタクトレンズだけしか使用しない人はわずか3%ほどで、39%の人がメガネとコンタクトレンズを併用しているそうです。
そういう場合は、外出時はコンタクトで、帰宅してからメガネということでしょう。
しかしなんと……58%の人が、メガネだけで生活しているということですよね。

テニスプレーヤーの場合、普段はメガネを使っていても、プレーのために装着するという「メガネ&コンタクト併用」のケースが多いでしょう。

ところが、度付きスポーツグラスと出会ってからは、ほとんどコンタクトレンズは使わなくなりました。
というのは、あちこちで取材してみて、そのほうが目には優しいということがわかったし、スポーツグラスの効果と必要性を実感したからです。
幸い、優秀なスポーツグラスや専門店と出会うことができたのでハッピーでしたが、2つだけマイナス面があります。

それは「それなりに高価」だということと、「カーブによる特殊な視野に慣れなければならない」ということ。
度付き加工できるスポーツグラスのフレームは、だいたい2万円以上はしますし、それにレンズ&加工代を併せると、ときには5万円を越えてしまいます。
プレーするときだけのためにそれを作るのは、けっこうな経済的負担です。
またスポーツグラスは、顔の湾曲に沿ったフレームが多いため、レンズも「6カーブ」「8カーブ」といったハイカーブ(湾曲)レンズが採用されるのですが、数字が大きくなるほど広角レンズ効果が大きくなり、8カーブレンズなど、最初は魚眼レンズで見たように感じますから、それに慣れるのはたいへんです。

そこで「まぁ普段のメガネのままでいいか」ってことになるわけですが、やっぱり眩しい。
聞けば、スポーツグラスって、単に眩しさ低減&紫外線カットだけじゃなくて、いろんな機能を持っているそうじゃないの……と、やっぱり欲しいわけです。

そんなメガネプレーヤーの願いを叶えてくれるのが、プリンスの【偏光サングラス 帽子装着型】なんです!

アイディア商品とは違う、本格仕様のアイウェアだ
〜ジャストフィットで位置調整できるカバー型〜

世間には、メガネクリップオン式サングラスというのがあります。
これは、メガネのレンズ上部のフレームにクリップして、通常レンズの前にサングラスレンズを重ねて覆い隠すもので、メガネと一体化してくれるのでいいんですが、その重さが、ノーズパッドとメガネのツルを通じて、鼻と耳にのしかかってしまい、ズレやすくなったり、ときには痛くなってしまうんです。

プリンスの【偏光サングラス 帽子装着型】は、その名のとおり、帽子のツバの先端にクリップ装着する方式なため、メガネの負担が増すことはまったくありません。
言ってみれば、メガネレンズの前にスクリーンが浮いているような印象ですね。

帽子のツバに深く差しこむと、ツバの下部にレールがあり、それをレンズ本体が「約4mmピッチで7段階に前後」するようになってるため、よほど長いツバの帽子でない限り、ピタリとメガネレンズの前にセッティングできるのです。
もちろん、メガネをかけていない人でも使えます。
ただし、帽子は絶対に必要ですから!(笑)

偏光レンズって、本当にありがたいもの
〜コートサーフェスからの反射を防ぐ〜

偏光サングラス 帽子装着型
プリンスのサングラスシリーズは、基本的に「偏光レンズ仕様」となっていますが、みなさんは「偏光レンズ」というのはどんなレンズかご存知ですか?
ひとことで言うならば「反射光をカットする機能」を備えたレンズです。

そのレンズの存在を初めて知ったのは、カメラを趣味にしていた40年前のことでした。
レンズに装着するフィルターに『偏光フィルター』というのがあり、たとえば水面を撮るとき、光が反射して水の中は見えないのが普通ですが、その偏光フィルターをレンズの前に装着して、回転させながら角度を調節すると、あーら不思議……水中まできれいに見えちゃうんです。
ビルのガラスの反射も、偏光フィルターを通して見ると、まるで反射などなかったのかのように透き通ります。

車の運転をするときも便利です。
真夏は、フロントガラスにダッシュボードの照り返しが反射して、前が見にくくなることがありますが、偏光レンズのサングラスをかけると、それがきれいに消えてくれるんです。

さて、それがテニスではどういうときに必要なの?
コートサーフェスから反射する照り返しを、眩しいと思うことは多いですよね。
じつは人間の眼球って、ものすごい機能を持っているんです。
眩しいくらいに眼球内に入ってくる光が多くなると、黒目の中心にある瞳孔(瞳)が自動的に収縮して、入ってくる光の量を少なくします。
光は「映像情報」ですから、コートの照り返しに合わせて光量を激減されると、ボールの動きという映像情報も少なくなってしまいます。

偏光サングラスは、サーフェスからの照り返しをカットするようにセッティングされているので、反射光のために瞳孔を収縮させることなく、十分な映像情報量を確保できます。
どうしてこんなことができるのか?
光には「縦波」「横波」という「波長の方向」があって、地面から反射してくる光は縦波であるため、横波だけがレンズを通り抜けられるようにしてやれば、反射光をカットすることができるわけです。
そのために、レンズには横方向に、目に見えない微細なスリットが組み込まれています。
こうすると、反射光である縦波はスリットに阻まれてカットされ、前や横からの横波だけがレンズを通り抜けることができるのです。

そんなシステムを搭載した偏光サングラスは、照り返しの強いハードコートはもちろん、ちょっと砂が浮いてきた砂入り人工芝コートで本領を発揮します。砂の多い砂入り人工芝コートは、砂自体が日差しを乱反射して眩しさを増し、ラインが見えにくいことしばしばです。
テニスで真っ先に必要とされるのが「映像情報」です。
試合で勝利を手にしたいと思うのなら、最善の戦闘態勢を整えておくべきであり、相手の動き・ボールの動きについての情報確保は、不可欠要素なのです。

心からプレーヤーのことを考えるプリンスの姿勢
〜帽子装着型でも2タイプから選べるなんて〜

PSU650
PSU651

次に、いまや「グリップテープを巻くのは常識」という時代です。

プリンスの【偏光サングラス 帽子装着型】には、2つのアイテムが用意されています。
【PSU651】は、このスタイルのベーシックモデルで、可視光線透過率が約22%。
この可視光線透過率というのは、裸眼状態で目に飛び込む光の量を100%とし、レンズを通したときの「目に届く光の量」を表わします。
簡単に言えば、可視光線透過率の数値が低いほど、光を通しにくいということで、レンズの色も濃くなります。

そして、もう一つのアイテムが、バトルタイプとも言うべき【PSU650】で、プリンスではこんな言い方はしていませんが、筆者には「より実戦向きモデル」と見えます。
まず形状的に、レンズの両端が顔のカーブに合わせてラウンドし、横から飛び込む光をブロックするわけで、紫外線カット効果が十分です。
さらに、横の視界もレンズ内のビジョンに収めることができるため、戦闘視野が格段に広がります。
【PSU650】の可視光線透過率は約44%と、眩しくない範囲で、より多くの視覚情報を得られるように設定されているのです。

室内などの暗いところでは、前のレンズをクイッと跳ね上げるだけ。
いざコートに出るときには、カチカチッとレンズを下ろして戦闘ビジョンへ。

【偏光サングラス 帽子装着型】はサングラスというよりも、スポーツビジョンを向上させる「競技用スクリーン」なのです。

松尾高司(KAI project)

text by 松尾高司(KAI project)

1960年生まれ。『テニスジャーナル』で26年間、主にテニス道具の記事を担当。 試打したラケット2000本以上、試し履きしたシューズ数百足。おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー