Prince X 100を打ってみました

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プリンスECサイトから、気になるテニスウェアやグッズ&ギアを体験してみるこのコーナー、第8回は、ねじれ形状でラケット業界に新しい風をもたらした「X100」を試打しました。 

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個人的にこれがプリンスラケットの良さだと思うところは、各社素材や、その配置と行ったところで特長を出している中、思い切った形状の工夫をし、しかもそのモデルを継続しているところです。

以前は他社にも形状を工夫したラケットがありましたが、やはり多くが廃盤になっています。プリンスが継続しているラケットをしては、フレーに大きな穴を開けたO3があり、2005年の登場以来、ラインナップが変わっても形状は継続しています。

そして、「X100」は、シャフトをねじるというユニークな新形状で、2019年に発売されました。

このラケットの良さは、しなりとBOXフレームというところからくる、コントロール性の高さにあると思います。フレームが硬くてすぐに反発するラケットが苦手な方に好まれるかと思います。

また、ねじりの特長はバックハンドでの飛びの良さ。ゆっくりしたスイングでも、深いボールが飛んでいきます。むしろ速くスイングしすぎると、ガシャったり、軌道が安定しない気がします。

そして、初代X100を愛用していた私に、2022年9月、モデルチェンジのお知らせが届き、このたび試打をしたので、インプレッションをお届けします!

x100

まずはコスメ。オールブラックからネイビーになりました。公式カラーとしては、ネイビー/パープルと2色の表示となっていますが、陽のあたり方によって、色々な表情を見せてくれます。そして、シャイニーな塗装が施されており、キラキラしています。全体的なトーンは落ち着いているので、ウェアにも合わせやすいのではないでしょうか。

全体の試打感としては、「やさしさと、しなやかさと、力強さ」に満ち溢れた完成度の高いラケットだと思います。

まずはスイートエリアの広さ。多少のオフセンターでも楽にボールを飛ばしてくれます。とはいえ、打球情報はしっかりと得られます。

そしてしなりに関しては、以前と同様にあるのですが、前作と少し違う印象です。素材の強さが強調されたのでしょうか? 前作はボールを持っている時間がもう少し長いというか、自分のスイングも使ってボールを飛ばしていたのですが、今回はもう少し楽に飛ばしてくれる気がします。

だからといって打った瞬間にボールが離れる感じではないのです。特に相手の速いボールをボレーで返すときには、その感覚がよくわかります。ボールをしなりで一度ちゃんと受け止めてから、スピードのあるボールが返球できます。

そもそも私が好きな“しなる”ラケット、“ボックスフレーム”という条件を兼ね備えているということもありますが、それを抜きにしても老若男女問わず、受け入れられるプレーヤーは多そうです。

対象プレーヤーとしては、ある程度スイングの方向性が固まっていて、もう少し楽をしたい男性や、もう少しパワーを出したい女性に適しています。テニス歴の長い、クラブプレーヤー向けかと。一方、ボールを潰して打ちたい方とか、スイングスピードの速いハードヒッターには、TOURシリーズや、BEASTシリーズをおすすめします!

補足になりますが、X100はスライスがかなり打ちやすく、低く滑らせるのが得意です。これもしなりの恩恵かもしれません。

いずれにしても、新しいラケットはそれだけでテニスへのモチベーションになりますよね。ニューラケットの購入、そして自分のスイングに合ったストリングを見つける作業は、私の楽しみの一つでもあります。寒いからといってコートから遠ざからず、試打ラケのレンタルなどで、自分のスイングを生かせるラケットを探してみましょう!

※プリンスECサイトにつながります
X 100
https://princetennis.jp/product/7tj180/

保坂明美(HOSAKA Akemi)

text by 保坂明美(HOSAKA Akemi)

テニス雑誌「スマッシュ」の編集長を経て、株式会社Tennis.jpの代表に。国内テニス大会の結果配信や、ライター、編集者として活動中。プレーは週に2、3回。テニスも大好きだけど、テニスが大好きな人が好き。