スポーツタイツのパイオニア【CW-X】誕生30年を経て、ストッキングライクな原点回帰『エキスパートクールタイプロング』って、「着るテニス保険」!

テニスコートでの「タイツ姿」を見ても、まるで抵抗感なし
〜 着るテーピング、着るサプリメント【CW-X】 〜

今の2021年、テニスコートでタイツを着用するプレーヤーたちの姿は、ごく当たり前の光景となりました。とくに女子プレーヤーは、ベテランから初中級まで「ファッションアイテム」の一つとして着用しています。男性でも若者たちは何の抵抗感もなく履いています。そりゃそうですよね……だって彼らが生まれる前から【CW-X】はあったのですから。

【CW-X】が誕生した経緯については、以前にこのコラムで話したことがあります。興味のある方は、コラムアーカイブから「2017/01/17」を、もう一度読み返してみてください。とくにワコールさんからいただいた、【CW-X】誕生の舞台裏についてのコメントは、まさにドキュメンタリーです。

ある女性研究員の妹が膝の靭帯を痛めたことに端を発し、スポーツテーピングがものすごく効果を発揮することを実感し、「技術がないと巻けない」「肌がかぶれる」「汗をかくと剥がれる」「使い捨てである」デメリットを、ワコールの手で解決できないかを、彼女の研究テーマにしたこと。

そしてテーピング機能を女性用ガードルに搭載したのがスタートだったこと。契約にとらわれずに自分にとってのベストを選ぶイチロー選手が【CW-X】を愛用して話題になったこと。【CW-X】発売当初の1991年度下期の約3600万円という売上に対して、2015年度通期は約55億円へと伸びたという話なんか、そのまんま昨今流行の開発テレビドラマになっちゃうでしょう。

これを読んでいただければ、きっとあなたはこう考えるでしょう。
「私はなぜタイツを履いているの?」
「私のタイツって、機能してるの?」と。

2017年の記事はこちら

本当に機能のあるアンダーウェアを、きちんと選ぶ!
〜 【CW-X】と、それ以外のもの 〜

Prince CW-X

さて、筆者が最近思うのは、「ただのタイツが多すぎる」ということです。みんなが履いているからとか、オシャレそうだからとか、そういった感じで履いている人は少なくないと思います。それがイケナイというわけではありませんが、もしもそれを履いて「運動機能が上がる」とか「サポートしてくれる」と誤解されている方がいらっしゃったら、きっとガッカリされることでしょう。

【CW-X】の出現以来、それを真似たものが現われては消えるという現象が繰り返されましたが、それが期待はずれだったから、【CW-X】みたいのはダメだ! と思わないでいただきたいのです。ホンモノは、ちゃ〜んと効いてくれます。

【CW-X】は、この分野の草分け、パイオニア、オリジナルです。開発段階では、いろんなアイディアが出ただろうし、なかには夢のような話があったかもしれません。でも【CW-X】が完成し、30年間もトップに君臨し続けられたのは、「ワコールが下着メーカーだったからこそ」です。ワコールが持っていた「女性用下着のガードルに使われる引き締め技術を持っていたこと」がポイントです。適切な部位でのサポート力や段階着圧を「実現しうる技術」が、【CW-X】を完成させたのです。

またワコールは、日本人の体型についての膨大なデータを持っていたのです。外見はそれっぽく真似られても、本質である「技術と情報」までトレースすることはできません。スタート段階のステージが違うのです。同じ土俵で勝負しようとしても、追い付いた頃には、はるかに先を行っているわけです。

そして、多くのテニスプレーヤーが、ホンモノのスポーツタイツ【CW-X】を手にすることができているのは、【プリンス】とのテニスに特化したコラボレーションや、テニスショップで購入できる【プリンス】の販売ネットワークのおかげです。

ライトさが超快適、スポーツタイツの先祖返り的進化
〜 あの【スポーツショーツ】の素晴らしさを採用! 〜

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今回、「どのアイテムにフォーカスしようかなぁ〜」とカタログの新製品マークを頼りに眺めていたとき、目が釘付けされたのが、この【エキスパートクールタイプロング】という長〜い名前のスポーツタイツです。

何がって、腰部に粗いメッシュがUラインで用いられているじゃないですか! ずいぶん前になりますが、プリンスが【CW-X】と組む前から、筆者は【CW-X】の【スポーツショーツ】に魅入られてしまっていたのです。プレー中にどうしても汗や熱が溜まってしまうUラインに大胆な粗いメッシュが使われていたので、試しに1枚だけ買って使ってみました。

「目から鱗」とはこのことだと知りました。快適、きわめて快適、超快適!
当時、テニスウェアでは機能素材戦争の真っただ中で、ショートパンツは「ハーフパンツ化」して「楽さ」がウケるようになりました。もちろん機能素材搭載で「吸汗速乾」を高らかに謳います。

ところが、「変だな……」と感じていました。たしかにハーフパンツは楽かもしれませんが、そのまま着用するわけではありません。かならず下着のパンツを履くわけです。真夏は、この下着がビショ濡れで、せっかくの高機能ショートパンツの恩恵を受けられないじゃないですか!

そこに【CW-X スポーツショーツ】の登場です。【CW-X スポーツショーツ】+【吸汗速乾ショートパンツ】の組み合わせによって、初めて「汗と熱の通路」が貫通したわけなんです。この記念すべき発見に驚喜した筆者は、【CW-X スポーツショーツ】を10枚まとめて購入し、あまりの快適さに、日常生活でも【CW-X スポーツショーツ】常着するようになったのです。この原稿を書いている「ジャストナウ」も【CW-X】。もう完全に【CW-X】中毒です。

それ以来、【CW-X スポーツショーツ】は、【プリンス】ブランドでもコラボ発売され、行きつけのテニスショップでも購入することができ、買い足し常備にも不便を感じなかったのですが、モデルチェンジによって快適さが急落し、さらには【CW-X】側が発売を中止したため、プリンス【CW-X】から脱落したのです。

【CW-X】ロスとなった筆者は、将来の希望を絶たれてしまいましたが、なんと数年後、【CW-X スポーツショーツ】は「Uライン大穴メッシュ」によって超快適機能をアップして復活してくれました。
だ・か・ら、この【エキスパートクールタイプロング】に目が釘付け……になったのです。

さっそくプリンスさんから送っていただき、着用してみたら……これだよ、これっ!
自分が求めていたスポーツタイツは、まさにコイツです。こちらは、お尻側のセンターVゾーンがオール大穴メッシュ搭載です。

全体はけっこうな極薄さによってクール。肌の色が微かに透けて見えるくらいの感じですから、暑苦しい感じがまったくありません。でも「薄すぎ」というほどではなく、女性用のストッキングのような脆弱な印象はありません。十分に頑丈なタイツです。

もちろんサポート機能はガチです。腰部サイドから大腿部外側をサポート力の高い素材が伸縮テーピングサポートのように貫かれます。そのテープは、後ろに回ってハムストリングをカバーし、それが前側へ回って、膝の上下をX状に2段で支えてくれるのです。これだけで膝への負担はかなり和らぎ、膝関節を安定させ、思い切ったフットワークで、不安なく踏み込めます。

また薄い部分も十分な着圧があり、筋肉を安定させてくれますから、大腿部やふくらはぎ部も、タイツに包まれている安心感で満たされます。エキスパートモデルですから、「吸汗速乾」「UVカット」「ストレッチ」「接触冷感」のフル機能搭載。激しいプレーを要求される場面では、【ジェネレーター】や【スタビライクス】などのハードサポートが必要ですが、普段の練習ならばこれで十分! 「欠けたることなし」。快適安心サポートタイツで充実したテニスライフを……って、なんだか保険商品の宣伝文句みたいになっちゃうけど、【prince】×【CW-X】のダブルネームタイツって、いわば『着るテニス保険』でしょう。

松尾高司(KAI project)

text by 松尾高司(KAI project)

1960年生まれ。『テニスジャーナル』で26年間、主にテニス道具の記事を担当。 試打したラケット2000本以上、試し履きしたシューズ数百足。おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー