「わざわざ買いたくなっちゃう」テニスウェア。大胆で明るい存在感と、オシャレまじめな高級感……「これ、着たいね!」

テニスコートには光がある。汗も軽やかさも「自分が輝いて見える」
〜 みんなコートに立つ自分のことが好き 〜

Prince 2021 S/S APPAREL

唐突ですが、あなたにとってテニスコートって何ですか?

「そりゃ、週末を楽しむ場所さ」というクラブプレイヤー。
「僕にとっては、戦いの場所です」と学生さんがキッパリ。
「そんなに動けないけど、健康を保つ場所ですよ」というリタイアしたオジさま。
「いろんな方との、お付き合いの場所ですね」というお洒落な御婦人。
「毎日通うんだから、仕事場じゃないの! キャハハッ」というレディースプレーヤー。
人は、いろんな立場で、いろんな目的でテニスコートに立ちます。

みなさんが、「テニスというスポーツが好き」「プレーすることが好き」なことは当然でしょが、じつは「テニスをしている自分のことが好き」なんだと思うんです。「いや、そんなことはないよぉ」と笑うお父さんも、きっと自分のどこかに「テニスをするカッコいい自分」の姿が潜んでいるはずです。

テニスを競技と考えているプレイヤーでも、そこにいる自分のことが好きだから、辛い練習をこなし、プレッシャーに立ち向かっていくのでしょう。週に1回のスクールに通うだけという方も、きっとどこかから別の自分が「自分の姿」を、好ましく見ているように思います。

自分でもプレーをし、仕事としてもテニスに関わることを40年も続けてきましたが、テニスコートに立つということに、ある固定したイメージを抱くようになりました。

テニスする人にとって、テニスコートというのは「自分が輝ける場所」だって。
誰だって、輝いている自分のことが好きなんです。汗まみれになって、必死でボールを追い続ける姿も、リゾートのコートサイドで、レモンスカッシュかなんかのグラスを手に微笑んでいる姿も、どかから客観的に自分で見ているんです。もう一つの目が、つねに自分を追いかけています。

イメージしてみてください。
練習前も、ひさびさのリゾートも……、コートに一歩足を踏み入れた瞬間、あなたの気持ちはどんなですか? フレッシュな気持ちを感じていませんか? テニスコートの光、ボールを打つ音、ふっと感じる「熱」、コートの上に漂う匂い。日常とは明らかに違う世界が、その瞬間から始まります。

とくに新しいテニスウェアを着ているときって、なんだか特別な気持ちになります。自分は着てるだけだから、古くても新しくても違いはないはずなんだけど、どこかから「新しいウェアを着ている自分」を見ているんです。

「あれっ? なんかいつもと違うね」
「今日はなんだか強そうじゃないか?」
「あなた、いつもよりちょっと光って見えるわよ」

テニスウェアにとって、動きやすいとか、涼しいとか、汗のせいでまとわりつかないなどの機能は大切。でもいまや、そんな機能搭載は当たり前のこと。そのうえで「好きな自分を装う」ためのアイテムとして、デザインはとても重要な選択条件になりますね。

プリンスの2021レディスアパレルは『フェミニン』『オシャレまじめ』
〜 まじめだけどダサくない、おとなしいけどハイセンス 〜

プリンスのテニスウェアって、どこか普通と違うんですよね。多くのテニスメーカーが、手を替え品を替えて、いろいろ発表するんですが、こう言ってはなんですけど、どれも似たり寄ったりで、ワクワクしないんですよ。

Prince 2021 S/S APPAREL

テニスにまつわる報道関係者として、一般のテニスプレーヤーとして、メーカー側の事情を知っている者として、さらには販売店の仕入れ担当者になったつもりで、どうしてもクールな目で見てしまいます。ただ、プリンスだけはちょっと違います。プリンスでコラムを書かせてもらっているから……なんてヨイショではなく、明らかにデザイン発想の源が違うように感じます。

とくにレディスアパレルは、毎年毎シーズンに発表される、新作コレクションを眺めるのが楽しみでなりません。とにかく「明るい」んです。心が弾む感じ! ……って、オヤジが言うのもヘンですけど(笑)

「品があるのに楽しそう」「大人なんだけどフェミニン」。今年のメインモチーフは「花」みたいです。「華」ってほどギトギトしてないんだなぁ。また、うっかりすると「花柄」って、安っぽく見えちゃうんだけど、まるで違う。使い方がウマいんですよね。大胆だったり、可愛かったり。同じテーマでも、いろんな演出を楽しめます。

Prince 2021 S/S APPAREL

それから今年のコレクションで感じるのは『オシャレまじめ』。もちろんコレクションカタログのモデルさんは若い外人モデルですけど、日本女性が着てもまるで違和感ないだろうし、とくに感じるのは「適応年齢層」の幅広さですよ。同じ柄でも、若い女子は大人っぽく見えるし、妙齢の御婦人が着ると若々しく見えそう。

今年の春、せめてテニスコートに立つときは、暗い気分をコートの外に置いてきて、明るくフレッシュな気分でいましょう。自分自身の演出を、忘れないでくださいね!

これからの季節に超便利な「透湿防水アウタースーツ」
〜 想定外の使い方ができるマジンガー 〜

Prince 2021 S/S APPAREL

そしてメンズコレクションにも大注目の逸品が!
もう少し早く発売してくれてたら、もっと嬉しかった……と思わせたのが、プリンス【MA1701 透湿防水ウィンドジャケット】です。お客様の購入時期を梅雨前と考えて「3月発売」としたようですが、これ「花粉症対策」にメッチャ効果的と思うんですよ。

すでにツラい思いをしている方は少なくないと思いますが、花粉は目や花をダイレクトに攻撃してくるだけでなく、衣服に付着して、じわじわと少しずつ嫌がらせをしてきます。帰宅したときには、家の中に花粉を持ち込みたくはないですよね。

そこで「防水ジャケット」です。防水加工が施された生地は、水を弾く機能があるのと同時に、微細な埃などが付着しにくい特性があります。もちろん花粉も付きにくいですよね。もし多少の花粉が付着していても、ジャケットを脱いで「バサァー」っと一振りすれば、だいたいの花粉は落ちてしまいます。

あっ、これはプリンスが公式に「機能」として謳っていることではありませんよ。筆者が勝手に想像して言うだけですから、もしものクレームは筆者宛にお願いします。
もちろん、透湿防水なので最近はちょっとした雨だとオムニコートであれば試合はあるしテニスはできるので待ち時間や移動には最適ですよね!

関東での花粉最盛期は3〜5月ですが、九州では1月から花粉が舞い始めます。そんな時期にウィンドジャケットなんて着ないよ……なんてことはないですよ。ものすごく寒い日は別ですが、テニスコートでのウィンドジャケットは普通です。

とくに花粉が舞い飛ぶような暖かい日は、この【MA1701ウィンドジャケット】が、きっと役に立ってくれる……と思うわけです。というか、デザイン的に「いいなぁ〜」と感じるのは筆者だけでしょうか?

カラーは2タイプから選ぶことができて、「ブラックカモ」はプリンス バックパックでも馴染みのあるモチーフ。でも筆者がとくにお気に入りなのは「ネイビー」。なんとも欲のないカラー表記ですが、どちらかというと、濃いコバルトブルーにターコイズが混じったような感じです。

これが全体一色ならば、ガテン系ショップに並んでるでしょうが、胸にブラックのパネルが「オレの大胸筋はここだぁ!」って感じで主張してます。最初に見てパッとイメージしたのが、僕らのヒーロー『マジンガー○』(ほぼ言っちゃってるか 笑)

そして、その上に白く染め抜かれた「pロゴ」がやけに目立ちます。プリンスのロゴは、これだけでとても目立ちます。目立ちすぎちゃって、「ラケットもプリンスじゃなきゃ着られないかなぁ」なんて怯む方がいるかもしれませんが、遠慮しないでどんどん着ちゃってください。

筆者はもう「今年の梅雨は、こいつを常備!」と決めました。だって「透湿」ですよ「透湿」! とくに自転車を利用される方は、もうこれしかない。ダボダボで野暮ったいレインウェアなんて着なくていいんです。これさえあれば、梅雨でもスマートにテニスコートへ通えますから!備えあれば患いなし!!

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2021 春夏アパレルコレクション

松尾高司(KAI project)

text by 松尾高司(KAI project)

1960年生まれ。『テニスジャーナル』で26年間、主にテニス道具の記事を担当。 試打したラケット2000本以上、試し履きしたシューズ数百足。おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー