なくなってみると「なくてもいい」に慣れちゃう。
でも「備えあれば憂いなし」
……バッグに完全収納できる傘という新発想!

いままで「いろんなもので溢れていた」ことを実感
〜 楽しいことからの隔離。テニスできることの幸せを知る 〜

緊急事態宣言発令により、今みんなが苦しんでいます。
感染されてしまった方はもちろん、その恐怖に曝されながら仕事をしている方、仕事を奪われたままになっている方……みなさんたいへんな思いで過ごしてらっしゃると思います。

一方、「テニスをできなくてつまらないよ」とボヤく友人もいます。たしかに毎日のようにテニスをしていた方ですから、テニスを奪われてしまった悲しみは深いでしょう。でもね、楽しみを奪われているのは、けっして彼だけではありません。

さまざまなイベントが中止となり、オリンピックは延期、グランドスラムまで中止。身近なところでは多くの飲食店、遊興施設が臨時休業を迫られ、国民の多くが嘆き悲しみ、外出を控えるようにと求められ、不自由さに苦しんでいます。

でも考えてみれば、これまで私たちは「足りない」「手に入れられなくて困る」などとは無縁の、あらゆるものが過剰に溢れる世界で生きていました。それが一気に、不自由な生活を強いられるようになったので、そのギャップによるストレスが大きいようです。

AKBが歌った朝ドラの主題歌「365日の紙飛行機」の歌詞に、こうあります。
「ずっと見てる夢は 私がもう一人いて
やりたいこと 好きなように 自由にできる夢」

やりたいことを好きにできるのが「夢」なんて思ってもいませんでしたね。でも今はみんな、それが叶うことを願っています。たしかにテニスは「なければ生きてゆけない」というものではないでしょう。でも、テニスがあることで生きがいを感じ、救われ、身体や心の健康を保つことができるものですし、プロプレーヤーやメーカー、ショップのみなさんは、テニスによって生計を立てています。テニスがなくなると、おまんまの食い上げです。

一般生活でも買えなくて困っているものもたくさんあります。マスク、消毒用アルコール、除菌シート、これまではごく普通に手に入れられたものが、どの店頭にも並んでいません。「転ばぬ先の杖」って、本当に必要なんですね。

さて、日頃から用心のために持つものといえば「傘」ですよね。突然の雨に見舞われたとき「あぁ、持ってくればよかった」って溜め息をつくんですけど、折り畳み傘でも、つねに持っているというものではありません。あれはけっこうかさばりますし、普通の長い傘は「今日はきっと降る」という日でもなければ持ち出しません。

今春のプリンス展示会で、面白いものを見つけました。見かけはどうってことない今までにもあったUVパラソルなんですが、じつはその長さに仕掛けがあったのです。

使用時サイズは十分なのに「ラケバに収納可」がめっちゃ便利 !
〜 春の紫外線対策、梅雨の雨対策、そして真夏の日光対策 〜

ラケットバッグに入ります

その説明は・・・「ラケットバッグに入る傘!」
「ん?」と思った方もいるでしょう。みなさんは、あまりそういう発想をしたことがないかもしれません。以前、筆者がある企画でラケットバッグを製作した際、じっくりと「傘対策」を考えました。使うほうは意識していなくても、作る側は考えるんです。使う人にとってどれくらいメリットのあるバッグに仕上げることができるか…って。

傘対策というのは、普通の長傘はバッグにうまく収まってくれないからです。このコラムを書くにあたって、ほぼすべてのラケット収納できる市販バッグのサイズを調べてみました。通常スタイルのラケバは、だいたいが「75 cm前後」ですから「30 inch」。背中にベタッとフィットする2本入りなどは「72〜73 cm」が多く、ダッフルバッグタイプでいちばん短いもので70 cm」くらいです。

閉じた状態

よく使われるビニール傘の長さは、それよりかなり長いので、ラケバに突っ込んでも、柄の部分がまるごと露出してしまいます。たまにそういう風になっている人を見かけますが、田舎から出稼ぎにきたみたいで、カッコいいものではありません。長傘でも、ラケバの中に完全に収まってくれれば、つねにイン・バッグしておくことができ、突然の雨降りにも澄まし顔で対処できます。

それがプリンスの最新長傘【PA345 UVコンパクトパラソル】なのです。全長が「73 cm」ですから、ラケバであれば、どのメーカーのものでも完全収納することができます。ちょっと小さめバッグでも、傘を斜めに入れれば余裕で入ります。

しかも「晴雨天兼用」ですから、日傘としても雨傘としても使えます。見栄えとしてはシルバーですから、日傘のイメージが強いですが、雨降りにも問題なく使うことができます。

直径105cm

スポーツシーンでのパラソルといえば、ゴルフ場でよく見かける、あのデカいやつですが、長さが85 cm前後、開いたときの直径は115 cmくらいです。たしかにデカいですね。また、一般的なビニール傘の大きいタイプは、長さが85 cm前後、開いたときの直径は105 cmくらいです。これではまったくラケバには収まりません。

ごく普通のビニール傘も、それなりにデカイです。ただ、ラケットバッグに入るのがないわけではありません。55 cmサイズといわれるビニール傘は、全長が71 cmですからラケバには入ります。ただし……使用時の直径が91 cmと、けっこう小さいんです。

そう! そこがプリンス【UVコンパクトパラソル】のスグレどころ。全長「73 cm」とコンパクトでありながら、開いたときの直径が「105 cm」と、必要十分な大きさを確保しています。まさに『小さくしまって大きく使う』ですね。

「パラソル=日傘」も「アンブレラ=雨傘」で使い分けるってホント?
〜 どっちも正しい。だからPA345 UVパラソル は「兼用」なの 〜

晴雨兼用

日陰がないロケーションで、真夏の炎天下で試合待ち……なんてとき、大型パラソルは頼みの綱です。これがあるのとないのとでは、体力消耗の度合いがまるで違います。プリンス【UVコンパクトパラソル】の表側はシルバーですから日光を跳ね返してくれます。さらに裏側は黒になっていていることも見逃してはなりませんよ。

たまに「裏側が白いオシャレ日傘」を見ますが、あれでは地面への反射光を傘の裏側が反射して頭に降り注ぎ、、日光を遮ることになりません。黒では熱がたまるでしょ? と言うかもしれませんが、日傘の役目は光をカットすることであって、その効果がMAXならば、熱のことは些細なことです。ですから日傘の裏側は「黒」がいちばんいいのです。

さらに、プリンス【UVコンパクトパラソル】の骨は「グラスファイバー製」です。金属製の傘骨は、重くて錆びやすく、強風にあおられて骨が曲がってしまうと普通の人には修復できませんよね。グラスファイバー製の骨は軽量でしなやかですから、折れて曲がってしまうことはほとんどなく、濡れたままでバッグの中に入っていても、錆びることがありません。じつに都合よくできています。

とまぁ、プリンス【UVコンパクトパラソル】の便利さは、十分におわかりいただけたと思いますが、「パラソルっていうからには日傘なんだろ!」とおっしゃる方がいるかもしれません。

「日傘=パラソル」「雨傘=アンブレラ」と思われてるのでしょうが、じつは、どちらでもいいんです。いろんな英文例を見ると、「日傘=アンブレラ」「雨傘=パラソル」と使われているのがたくさんあります。パラソルは「para(〜から身を守る)」+「sol(太陽)」なので、日傘のイメージが強いですが、アンブレラの「umbra」が「陰、日陰」を意味するので、英語では「beach umbrella」「patio umbrella」などの表現もあるようです。

パラソルもアンブレラも、単語として兼用できるということですから、プリンス【UVコンパクトパラソル】も「晴雨天兼用」ってことです。折り畳み傘は小型化できるというメリットはありますが、傘を閉じるときに面倒ですし、やはり小さいですよね。プリンス【UVコンパクトパラソル】をラケットバッグに常備しておけば、かならず役に立ってくれるはずですよ。5月は8月と同じくらいの紫外線がありますのでぜひ5月の紫外線~6月の梅雨時期の雨対策、そして7・8月の日差し対策としてお早めに!
そう!「転ばぬ先の杖」を手に入れてください。

松尾高司(KAI project)

text by 松尾高司(KAI project)

1960年生まれ。『テニスジャーナル』で26年間、主にテニス道具の記事を担当。 試打したラケット2000本以上、試し履きしたシューズ数百足。おそらく世界で唯一のテニス道具専門のライター&プランナー